達成の法則 五分五分の勝負 簡単な課題?難しい課題? どっちに取り組めばいい?
今のあなたは、大本命の会社の最終面接に臨んでいます。
ここさえ受かれば!と意気込んでいます。
「最終はどんな試験だろうか!?」
緊張しながらあなたが面接会場に向かい到着し、いざ面接になったのですが
そのとき面接官が全員に「バスケットのボール」を渡して、言いました。
「今から、シュートをしてもらいます」
「え?」と驚いているあなた。
そしてさらに驚くことにこうも告げたのです。
「距離は1メートルから8メートルまでの中で、自分の好きな距離からシュートしてかまいません」
見ると、確かに床に距離のラインが引いてあります。(ちなみにフリースローラインは4.6m。スリーポイントラインは6.25m)
あなたは考えるのです。
「1メートルのほぼゴール下で投げれば、間違いなく入るだろう。でもそんなの入っても何の評価もしてくれなそうだ…」
「遠くからシュートしてもし入れば、高評価がつくだろう…。でも入るかどうか…難しそうだ…。」
「真ん中あたりのフリースローラインなら…入るか入らないか、五分五分ってところか、どうしようかな…」
それではここであなたに質問です!
・あなたなら、どこから投げますか?
1~2mほどの近くから投げますか?
6m以上の遠くから投げるますか?
それとも、真ん中くらいにしますか?
心理学用語で、「達成欲求」というものがあります。
簡単に言うと 自分に適切な課題を課し、それを実行しようという意欲のこと。もっと分かりやすく言えば、「何かを強く成し遂げたいと思う気持ち」。
心理学者アトキンソンの実験なのですが、
まず被験者たちに心理テストを実施し、それぞれの被験者が「達成欲求」をどれだけ持っているかを調べました。
そして彼らを、この達成欲求が「強い人」と「弱い人」と分けました。
さらに彼らに、さきほどみたいに近距離~遠距離で好きなところから「輪投げ」をやらせました。
ここで実験者が測定していたのは「実際に入ったかどうか」でなく、「どの距離から投げるか」だけだったのです。
さてその実験の結果はどうなったと思いますか?
達成欲求が「強い人」は、ほとんどの人が、「中間距離」で投げたのです。
それに対し達成欲求が「弱い人」は、「近距離」か「遠距離」で投げることが多かったのです。
達成欲求が弱い人が、近距離を選んだのは何となくわかりますが、
「遠距離」を選ぶのは何故でしょうか?
それは
プライドがキズつくのを恐れているからなのです。
だって「遠距離」で失敗した場合って言い訳がしやすいと思いませんか?
「やっぱりダメだった」と…
つまり、失敗したときの言い訳の準備も考えて、敢えて無謀な挑戦をするわけです。
達成欲求が高い人は、自分にとってちょうどいい課題を選び、それをクリアする為に努力して克服しようとする傾向が強いので、「中間距離」を選んだわけです。
もしあなたが今の目標が「上手くいっていない」「モチベーションが上がらない」というふうに感じるとしたなら
それは「成功率90%のクリア出来て当たり前のこと」または「成功率10%にも満たないクリアできなくて当たり前のこと」に取り組んでいるからです。
バスケで言えば、ゴール下か3点シュート以上の距離を狙ってばかりいるということです。
「投げれば必ず入る」「ほとんど外す」
入っても嬉しくありませんし、外しても悔しくもない。
これでは達成に対してモチベーションなど湧いてくるはずがありません。
それではそのためには、一体どうすればいいのでしょうか?
その「ちょうどいい課題」というのは、成功率50%前後の五分五分のものが良いとされているそうです。
どんなものでもいい。
とにかく大切なのは五分五分の勝負を心掛けることです。
そうすればきっと出来たなら喜びが、出来なかったら少し悔しさが湧いてきてモチベーションも上がっていくことでしょう。
「私は失敗したことがない。
ただ、1万通りの、うまく行かない方法を発見しただけだ。」
トーマス・エジソン