借りを返しても釣り合わない理由 ギブアンドテイクは何故難しいのか 「してあげたこと」は「してもらったこと」の35倍
それ、支え合ってね~だろ!
「人」という字は支え合っているからこういう形なんだとかよく言いますが、
確かにその通りで、世の中は、何らかの形で、誰もが助け、助けられて生きています。
しかし、人は「貸し」と「借り」を平等には見れないものです。
試しに、最近あなたが誰かに
・「自分がしてあげたこと」
・「他人からしてもらったこと」
を思い出してみて下さい。
思い出せたでしょうか?
それは、同じ数でしたでしょうか?
おそらくですが
『自分がしてあげたこと』のほうが多く思い出せたのではないでしょうか?
アメリカの大学でアンケートの調査結果によれば
『人にしてもらったこと』より『人にしてあげたこと』のほうが、35倍も記憶に残っているということです。
参考:「マンガでわかる心療内科」
「自分がしてあげたこと」と「他人からしてもらったこと」を比較すると、前者のほうがずっと大きく、記憶に残る傾向があります。
『してもらったこと』がいくらあっても、人はその1/35しか覚えていることができないのです。
たとえ周囲の人々から300回もの親切を受けていたとしても、そのうちの10回以下しか親切としてカウントしていないということになるのです。
その反面で、自分が他人に対して行った親切には、ほとんどのものをカウントし、更にはそれについて見返りを求めるというわけです。
もしこれをSNSなどで例えてみると「いいね!」を10回するだけで、300回以上返されて当然と思うようなもので、そんなことはスーパーブロガーか芸能人、著名人でもない限り、なかなか難しいのではないしょうか。
しかし、多くの人はそれくらい返されて当然だと思っているわけです。
本人は、忠実にギブアンドテイクをしていると思っているのですが、それは実際には、35回の親切に1回の親切を返したに過ぎません。
それでいて、本人は十分返していると思っているわけです。
それでは、人同士に感謝の気持ちなど湧くはずもありません。
誰もが「自分ばかり損をしている!」と思い込むのは、心理的には当然なのです。
もしもあなたが、常に感謝しているとしたら、あなたはよほど謙虚な人なのかもしれません。
安月給だ!と給与明細を受け取る度に残念がっている私ですが、実はそれでも、思っている以上の見返りを受け取っていたとしたら、実は案外高給取りなのかもしれません。
考えてみると、決められた曜日にゴミを出せば、業者さんが持っていてくれます。
あなたが今目の前にある、PCやスマートフォン等は、半導体や電池をつくってくれている工場、更にそれを運んで、別の工場で組み立てて、箱詰めし、更にそれを店が仕入れて、店に並び、店の人があなたの手元に渡してくれたものです。
あなたが今日食べた御飯だってそうだし、本だってそうです。
それを考えると、35倍でも、少なすぎる数字なのかもしれません。
少なくとも、「恩を仇で返された!」「俺だけ損をしている」
とか、
「自分はあれだけやってあげたのに!」
なんていうのは、幻想に過ぎないのがわかるのではないでしょうか。
なぜ私達は与えることにはこうもよく覚えていて、与えられることにはこうも忘れやすいのか?
逆なら、誰もが幸せになれそうなのに…
きっと動物として生きるための本能なのかもしれません。
大昔、人類が誕生したころは今ほど豊かではありませんでした。弱肉強食の世界だったころの名残ではないかと推測します。
多少横柄で貪欲なほうが生存競争を勝ち抜くのに都合が良かったのかもしれませんね。
しかし、現代では、それは仇になるような気がします。
それが行き過ぎれば、人間関係は上手くいかなくなることでしょう。
ですからそうならないためにも、
・「他人に裏切られた」
・「見返りがない」
・「やってあげて損した」
と感じたときは、この35倍の法則を思い出してください。
人からもらってるはずなのに、あなたが忘れている残り34の親切を、今一度改めて振り返ってみてください。
仮にそれで思い出せなかったとしても、
感じて欲しいのです。
「どこかで誰かが自分の事を助けてくれている」
ということを!
そうすれば、あなたは、実は全く損などしていないことがわかることでしょう。
世の中は、本当は親切が溢れかえっているのです。
大多数の人は、たまたま、UVをカットするように、親切を34/35カットするフィルターのかかった眼鏡をかけているだけなのだと思うのです。
もし、あなたがそのフィルターを取り除いたら、どうでしょう?
今まで気付かなかった親切に溢れた景色が見渡せることでしょう。
そして、オセロをひっくり返すように、不幸が幸せへとあっという間に変わっていくはずです。
もしあなたが、もっと目を凝らしてみれば、今まで気づけなかった親切にも気付けるようになれるでしょう。
あなたが気付かないだけで、私達はいつも世界に愛されているのです。
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