人はなぜ損を選ぶのか?「実質的損得」と「脳内の損得」の違い。プロスペクト理論
もう地上に来なくてもいいぞ(;´∀`)
投資の世界でよく使われる理論に『プロスペクト理論』ってものがあります。
まずは、次の問題を考えてみてください。
【問題1】
1 確実に30万円を貰える。
2 50%の確率で60万円貰えるが、50%の確率で何も得られない。
【問題2】
3 30万円の借金がある。
4 50%の確率で60万円に借金は増えるが、50%の確率で借金がチャラになる。
このようなケースの時、あなたは何番を選びますか?
実はこれらの問いに対して、実験では殆どの人が1と4を選択するとのこと。
問題1は『利益』つまり得をする話で、
問題2は『損失』つまり損をする話。
1番と4番を選ぶということは、つまり
得の領域では低い確率を高く見積もり、損の領域では高い確率を低く見積もることで、損失を利益より過大に見積もってしまうのです。
これは投資においていわゆる『損切り』が出来ない人の典型的なパターンと言われています。
損が出てるのにもかかわらず、冷静な判断で『損切り』が出来ずどんどん損失を増やしていくというパターンとでも言いましょうか。
1番と4番を選ぶ人は『小さな利益を取りに行って、大きな損失を出す人』
2番と3番を選ぶ人は『大きな利益を取りに行って、損失を最小限にとどめる人』
そして
2番と3番を選ぶ人がいわゆる投資の世界で勝てる人であり、お金持ちの思考の人ということになります。
このプロスペクト理論から導けることは
貧乏思考は、
損しないことは、わかってるのに大きな利益を取りにいく勇気がなく、少ない利益の方を選び、
一方損をしてしまうと、損から逃げるあまり、結局大きな損を背負い込む
損の領域にはいるとあきらめきれず、取り返そうとするあまり深みにはまる。
一方金持ち思考は
損しない領域であれば、一かバチか、小さな利益より大きな利益を取りに行く
もっと得したかもなどという幻想にしがみつくこと無く、現実をきちんと受け入れる。
損の領域に入るときには、早めに損を確定して、リスクを最小限にとどめる
きちんと自分の損(失敗)を認め、それを取り戻そうとやっきにならない
『損』に注目しているか、『得』に注目しているか
そして、自分の『損』と冷静に正面から向き合えるかどうか
ということかなと思います。
大衆のほとんどは『損』にこだわり、自分の損と向きあえていなく、
金持ちや勝てるトレーダーは自分の損と向き合い、かつ『得』にこだわっているといえるのかもしれません。
(ちなみに私は1番と3番でした。
「損小利小」損は切れるけど、冒険は出来ないということか。
今まで投資でかなりの額を持って行かれたこともあるので、損失には少しは慎重になったことがあるのかもしれませんね)
プロスペクト理論は、投資とかギャンブルとかしないから関係ないというわけではなく、実生活にもあてはまることは多いです。
損得というのは、金銭面だけでなく、「時間」や「幸福度」にも言えることも多いでしょう。生きる上ではむしろそちらのほうが重要なものかもしれません。
では、『プロスペクト理論』を日々の生活全てに置き換えてみると…
・毎日夜遅くまで働いて、家族の時間もなく、ストレスにまみれながら仕事に行ってる自分の『損』を認めたくないから、「もっと頑張ればきっと楽になる」とか「この苦労はいつか報われる日が来る」とか言いながら、どんどん『損失』を大きくしていく
・毎月少しづつの損(支払い)をすることで、いつか(万が一のことがあったとき)大きな『得(保険金)』が入るのならと、不確定な利益を夢見て生命保険に入る
・見に行った映画がつまらなくても、せっかくお金を払ったんだからと、もったいないからと最後まで見てしまう。
また、レストランで食事が不味かったけど、もったいないからとついつい食べてしまう。
結局お金だけじゃなく「時間」や「幸福感」まで失う。
・せっかく食べ放題なんだから元を取らなきゃ(小さな得)と、食べきれないほど食べて結局苦しくなり、満足感どころかお金を払って、不快感(損)を持って帰る。
・無料で貰える(小さな得)ならと、携帯を買いに行ったついでにほとんど使いもしないタブレットをもらって帰り、毎月しっかり通信料(大きな損)を払っている。
・ポイント5倍又は5%割引き(小さな得)だからと、いりもしないモノまで無理やり買い貯めをしてしまい、結局腐らせたり無駄にして(大きな損)しまう。
これらは全部、貧乏思考ってことなんです。
やってしまいがちなこともいくつかあるのではないでしょうか?
このような習慣を続けてしまった場合、今は困ってなくても、もしかしたら将来貧乏神につきまとわれることになるかもしれません。
お金だけならまだいいのですが、「時間」や「幸福感」までも失うことになりかねません。
そんなあなたは、これからのおすすめは、
・我慢してまで嫌な仕事をはしない
・生命保険には必要最低限に留める。
・つまらない映画なら即帰る、つまらない本なら即やめ捨てる
・元を取るとか考えず、食べすぎるようなことはしない
・無料だからと言って、本当に好きなもの必要なもの以外は貰わない。
・ポイントカードなど持たない。
・割引だからと言って、買いだめしない。
こんなことから、少しずつでも心がけるといいのかもしれませんね。