エリートの落とし穴 子供の教育で追い詰める陥るパターン
親であったら、子供には素晴らしい人生を歩ませてあげたいと多くの親が考えることでしょう。
しかし子供に良かれと考え行った「教育」が子供の人生を狂わせることがままあります。
なぜ教育熱心な親が、子供を追いつめてしまうのでしょうか?
まず下記の①、②、③の例を見て欲しいと思います。
①ありがちなのは、親自身に学業に対するコンプレックスがあるケース。
自分には学歴がなくて苦労したという親は、子供になんとしても学歴を授けようとする。
②例えば、一見高学歴であっても、実は東京大学や医学部等に行けずに早慶や医以外の学部に行ったなどという場合に、成功体験と屈辱体験の融合が、わが子への歪んだ期待と感情となるケースです。
「子供には成功してほしい」という顕在的な願いの一方で、「子供にも屈辱経験を味あわせなければならない」という潜在的な欲求が混在し心に渦巻くのです。
だから、自分の成功体験に基づいて子供を激しくしつける一方で、子供の努力や成長を認めてやることができず、「お前はまだまだダメだ」というメッセージを発し続けがちになります。
③医学部や東大、ハーバード大等スーパーエリートの親が子供に過度な勉強を強いて、子供をつぶしてしまう悲劇もあります。
個人的には、①はよく見受けられるし、対策もそこらじゅうに書いてあるから案外端正は容易に思われます。
②に関しても、理解出来る方も多いのではないでしょうか。
「1番以外は全てダメ」という人はけっこう見受けられますが、そんなタイプでしょうか。
しかし盲点は、一見エリートに見え、周りからは成功者の親に見受けられるや③の場合です。
どうしてこんなことになってしまうのでしょう?
人は、最短ルートから外れることを過度に恐れる傾向があります。
そして、人は誰しも、自分の人生しか知り得ません。
常に最短距離を選んで歩いてきた人は、あえて回り道をしたり、道草などしないで育ちがちになります。
故にたった一度でも回り道をしてしまったら、大きな挫折と捉え、多大な精神的ダメージを負ってしまうのです。
たいていの場合は、早い時期にどこかで回り道を余儀なくされ、その脇道で思わぬ出来事に恵まれたりを繰り返したりして、最短ルートを行くだけが親の価値観だけが人生じゃないと学んでいくものです。
そして、そこからの人生の視野が広がったりしていくものなのです。
しかし幸か不幸か常に最短ルートを進むことが出来てしまった人は、その道しかわかりませんし、脇道に出たこともありません。
それで賞賛され続けていくわけですから、それが唯一の最も良い道だと信じて疑う機会がほとんどないことが予想されます。
故にその道以外は見えなくなり、視野が狭くなりがちになってしまうのです。
ですので最短ルートから外れることを過度に恐れるようになってしまうのです。
そうなると、子供ができれば、子供にも最短ルートを歩ませなければいけないと思い込んでしまう。
そうすることが子供のためであると信じて疑うことは少ないでしょう。
そのように育てられた子供が、一生思い通りの最短ルートを歩めれば、問題はないのでしょう。
しかし全ての人が、ビルゲイツのようになれたり、金メダルやノーベル賞をとれるわけではないわけです。
ですから、大方の子供がいつかそのルートから外れてしまう時が来るわけです。
そうなったときに、最短ルートしかわからない場合は、どうしたら良いかわからない。
対応が出来なくなってしまう可能性が高くなってしまうのです。
これが、③のケースの高学歴者やエリートの親が陥りやすい落とし穴なのです。