正の強化 負の強化 正の罰 負の罰 とは?
行動分析学に
「正の強化」「負の強化」「正の罰」「負の罰」
というものがあります。
個人的に、子供の教育方針の判断材料の一つとしてとても役立つもの(ペットを飼っている方も役立つかもしれません)と解釈しているのですが、
なかなか理解できませんでしたので、いろいろ調べていくうちにわかりやすく説明されているブログがありました。
正の強化 負の強化 正の罰 負の罰|イヌの言い分、ヒトの都合。元ドッグトレーナー、大学へ行く。
以下引用です。
行動分析では、
「行動が増えた状態」のことを「強化」
「行動が減った状態」のことを「罰」
と呼ぶ。
ちなみに「褒める=強化」「叱る=罰」と説明する人もいるそうだがそうではなく
褒めていても、行動が減っているならそれは「罰の随伴性」
叱っていても、行動が増えているならそれは「強化の随伴性」になる。
「叱られていない 」→「 吠える」 → 「叱られている」
の流れでも「吠える」という行動が減っていないのであれば、「強化の随伴性」となる
こんがらがる人は、まずここでこんがらがります。
「叱ってるのに、罰じゃない?褒めてるのに、強化じゃない?え?何?どういうこと?」という風に。
なので、とりあえず
「行動が増えたら強化。行動が減ったら罰」
と、覚えること。
次にこんがらがるのが、この「正」と「負」です。
たとえば、↓のような流れがあるとします。
「叱られていない」 →「 吠える」 → 「叱られている」
この時見るのは、「行動の前後の刺激・出来事」です。
↑の流れでは、「行動の前には無かった『叱られる』という出来事が、行動の後に出現している」という形になっていますね。
このように「行動の前には無かったものが、行動の後に出てくる流れ」を、「正」と呼ぶ。
反対に
遊んでもらっている → 甘噛みする → 遊んでもらっていない
「行動の前に有ったものが、行動の後でなくなる流れ」を、「負」と呼ぶ。
「正の強化」「負の強化」については
こちらの例もわかりやすいので、こちらも読むといいかもしれません。
これを理解しましたらあとは、「強化と罰」「正と負」を組み合わせるだけです。
・正の強化
→行動の前に無かったものが、行動の後に出現していて、
その行動が増加・維持されるような流れ
例:褒められていない → 座る → 褒められている
…今後「座る」という行動が増えたら「強化」
「褒められる」という出来事が行動の後に出現しているので「正」
よってこれは、「正の強化」となる
・負の強化
→行動の前に有ったものが、行動の後に消失していて、
その行動が増加・維持されるような流れ
例:叱られている → お腹を見せる → 叱られていない
…今後「お腹を見せる」という行動が増えたら「強化」
「叱られている」という出来事が行動の後に消失しているので「負」
よってこれは、「負の強化」となる
・正の罰
→行動の前に無かったものが、行動の後に出現していて、
その行動が減少するような流れ
例:叱られていない → 吠える → 叱られている
…今後「吠える」という行動が減ったら「罰」
「叱られている」という出来事が行動の後に出現しているので「正」
よってこれは、「正の罰」となる
・負の罰
→行動の前に有ったものが、行動の後に消失していて、
その行動が減少するような流れ
例:遊んでもらっている → 噛む → 遊んでもらっていない
…今後「噛む」という行動が減ったら「罰」
「遊んでもらっている」という出来事が行動の後に消失しているので「負」
よってこれは、「負の罰」となる。
でもって、これを教育にどう生かすかということですが、
実はこれを、実際の場面で当てはめるのは無理があるということです。なぜなら起こっている行動がたった一つの随伴性で成立していることはまずないからです。
それに行動の「自発性」、「拡大性」が確認された時に初めて判断できるものだからです。
それをふまえて実際の教育現場で「正しい行動を、いかに教えるか?」ということを考えた場合を考えますと、「正の強化」を第一選択として優先がいいそうです。
本人が、出来るだけ楽しく、ストレスなく行えるように「正の強化で、思考、発想の維持、更にはそれを拡大できるような流れ」を、考えてあげるわけです。
引用終わり
このような行動分析学の面から考察してみると、子供の個性を伸ばすといいつつ、実際には「負の罰」を与えたりしていることもけっこうあるのではないでしょうか?
子育てに正解は一つではありませんし、実際の現場では、そんことはいちいち考えずに、経験則でなんとなくなんてことも多いものです。
対してこの考え方は一つの指標にはなることと思うのです。
迷ったとき、時々このような面から考えてみるのも一つの方法ではないでしょうか。