「感謝をすること、人に尽くすこと、それが成功に繋がります」は本当か?マズローの欲求5段階説
「感謝の気持ちで接しましょう」
「人の役に立ちましょう」
「人様のために尽くしましょう」
いい言葉です。
こういった言葉に反対する人は少ないかもしれませんね。
私もこうなれたらと思い日夜寝る間も惜しんで努力したときもありました。
あなたも、きっと人の役に立ちたいと思うことは多いでしょう。
しかし、そのことによっていつも心から満足を得られたでしょうか?
無理はなかったでしょうか?
もちろん、世のため人のために生きると志を立ている事は、素晴らしいことだと思います。
世の成功者と言われる方々は、
「感謝をすること、人に尽くすこと、それが成功に繋がります」
などと口を揃えておっしゃいます。
それに習っていれば成功すると信じ、実行している人もいることでしょう。
しかし、それに対し、ひねくれものの私は、それは本当なのかなと疑いの目を向けてしまうことがあります。
「マズローの欲求5段階説」によれば、人間には
第一階層)生理的欲求
第二階層)安全欲求
第三階層)社会的欲求
第四階層)尊厳欲求
第五階層)自己実現欲求
の5段階の欲求があり、下の段階の欲求を満たされると、上の段階の欲求が現れるとされています。
自分のことで手一杯のときに、人に尽くせるなんて人はなかなかいないのではないでしょうか?
例えば、空腹で、目眩さえするような状態の時に、人に食べ物を与えられますか?
公共料金を何ヶ月も滞納して、水道や電気が止まった状態で、募金箱に寄付金を入れられますか?
私は、出来ません。
あなたはどうですか?
慈悲深いあなたとて、こんな状態ではなかなか人助けどころではないのではないでしょうか。
もちろん「世のため人のためなどにに尽くすなよ!」と言いたいわけではありません。
いえいえむしろ、尽くせるのならどんどん尽くしてあげて下さい。
しかしそれは、あくまでも健康で最低限の生活が保障されている上でのことだと思うのです。
第一階層:「生理的欲求」
生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)。
第二階層:「安全欲求」
危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)
この「安全欲求」が充たされると、次の階層である
第三階層:「社会的欲求」
集団に属したり、仲間が欲しくなったりを求めるようにます。
この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなります。
第四階層:「尊厳欲求(承認欲求)」
他者から認められたい、尊敬されたいなどです。
ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求に変わります。
第五階層:「自己実現欲求」
創造的な活動がしたい、目指すゴールを自ら決めて達成するなど、より完全な自己実現を果たしたい欲求を指します。自らが規定した「あるべき自分」になりたいという欲求です。
この中の、いきなり「自己実現欲求」を行おうとしても、なかなか難しいことも多いのです。
世の中の偉人や成功者だって、最初から今のような地位にいたわけでなく、かつては凡人のときがありました。
むしろ、貧しい生まれで、学歴だって高くなかった人だって多いのです。
彼等と言えども、起業した無名時代に、今のような高次元の倫理観を持ちあわせていたかと言えば、そうでなかった人も多いのではないかと思うのです。
それなりの時間をかけて経営を軌道に乗せ、下の階層の欲求を順々に満たしていったからこそ、最終的な「自己実現欲求」に至ることが出来たのではないかと思うのです。
あなたが偉人のように成功したいと思うなら、かつて彼等の歩んできた道を巡るべきであって、出来上がった完成された形をそのまま模倣するべきではないのです。
頂点にいるときと途上しているときでは、それぞれ必要な物が違うわけだから
あなたが最初にやるべきことは、まずは
第一階層:「生理的欲求」
第二階層:「安全欲求」
第三階層:「社会的欲求」
を満たすこと、
まずは、その努力をすることです。
この世の中はお金で動いていますから、どんな欲求を満足させるにしても、ある程度のお金はどうしても必要です。
自分がスカスカの空っぽ状態なのに他人を助けようとは思わないでしょう?
まずは、きちんとお金を稼いで、空腹を満たし十分な睡眠をとり (第一階層:「生理的欲求」)
次に、雨風をしのぐ家の確保と健康を満たし (第二階層:「安全欲求」)
それが出来たら、集団に属したり、仲間を得る (第三階層:「社会的欲求」)
そこまで進めば、自然と「他者から認められたい、尊敬されたい」という欲求が出てくることでしょう。第四階層:(「尊厳欲求(承認欲求)」)
そうやって努力を続けていれば、いつの間にか自然な形で創造的な活動をしていることでしょう。第五階層:(「自己実現欲求」)
焦らなくてもいい。ゆっくりでいい。
どんな偉人だって、最初から頂点に登りつめたわけではないのだから、
あなたのペースで、一歩一歩確実に階段を登っていきましょう。