年寄りは本当に忘れっぽいのか? 年齢と記憶力の相関関係
「歳のせいか、記憶力が落ちた」
よく聞く言葉です。
若い頃から、4桁の暗証番号さえ覚えられずにATMでカードを何回も無効にしてしまった経験のある私などは、歳は関係はありませんが、たいていの人は歳とともに記憶力が劣っていくのが当然のことととらえているようです。
ですが、年齢と記憶力にはそれほど相関関係はないということを証明した実験があるのです。
その実験とは
2~30代の若者のグループと6~70代の高齢者のグループに分けて
単語を覚えてもらって、それをテストするといった実験をしました。
さて、この実験をある条件以外は同じ形式で2回行いました。
1回目の得点率は、若者のほうが高齢者より好成績でした。
2回目は、若者は1回目と変化はありませんでしたが、高齢者の得点率がアップし、若者とほとんど変わりない得点になったのです。
さて、何故こんなにも高齢者グループに変化があったのでしょうか?
この「ある条件」とは、
1回目は「記憶力のテストをします」と言って覚えてもらったのですが、
2回目は「心理テストをします」と言って覚えてもらったのです。
ただそれだけのことで、高齢者の暗記力が倍近くになったのです。
この実験からわかることは、「高齢者=記憶力が低下している」という先入観、思い込みが記憶を阻害したと言えるのです。
他にも、
「男は~だ」
「女は~だ」
「日本人は~が不得手だ」
などと言うのは、一見統計的に正しいと思われるものも、実は思い込みなのかもしれません。
もしあなたに
「俺は~が苦手だ」
「私は~に自信がない」
という思い込みがあったとしたら、その思い込みがあなたの能力を半減させている可能性もあります。
この実験を信じてみて、これを機に「好きなんだけど又はやりたいんだけど不得意だと思い込んでいるもの」があったとしたら、それをやってみてもいいかもしれませんね。