子供を叱るか褒めるか迷うときどうするか
子育てにおいて、子供のことを「褒める」と「叱る」のさじ加減はなかなか難しいものです。
よく「褒めて育てる」などと言いますが、なんでも褒めればいいというものでもないでしょう。
でも、一方で叱って短所を直すやり方というのも問題があるようです。
子供も親も人間であり、環境や時代やまた、生まれたときの初期設定が違うわけで、一概には言えるものではありません。
褒めることも叱ることも必要なのは、誰もわかっていることだとは思うのですが、ただそれをいつ何時どういう場合に?と考えてみると、これといった明確なものが思い浮かばない場合も出て来るのではないかと思うのです。
一つの考え方を書いてみようかと思います。
子供をいつもいつも叱っていると、その叱ったことを子供が繰り返すことってありませんか?
それは何故かというと、子供には基本的に「親にかまって欲しい」という欲求があります。
子供でももちろん「褒める」というかまわれ方のほうがいいはずですが、それが不足していると、「叱る」というネガティブなかまわれ方を求めるようになってしまうのです。
特にまだ子供がものの分別、例えば善悪などがまだ明確に理解できていない時期には、「褒められる」と「叱られる」が大人ほどには明確に分かれていないのだと推測出来ます。
そのとき子供は、「褒める」も「叱る」も同じ「かまう」という行為と同様に思っていると推測することが出来ます。
そして親が反応を見せることを「かまう」と確認し覚えて、そのことを繰り返すようになります。
自分が何か行動をしたことに対し親がこちらを向いてくれるということを繰り返すようになっていくのです。
ですから、親が好ましくないと思っていることを「叱る」ことも
好ましいことを「褒める」ことも、
どちらも「親がかまってくれる」という反応ですから、
親が子供のことを「褒める」ということが増えれば「褒められた=かまってくれた」その行為を子供は繰り返すようになり、「叱る」ということ増えれば、「叱られた=かまってくれた」その行為を子供は繰り返すようになるわけです。
例えば子供が、後片付けをしなかったとします。
それを
「何で片付けが出来ないの?」「片付けなさい!」
などと叱ってばかりいたとしたら、おそらく子供が片付けをしようとする意志に傾いていても、その後に片付ける確率は低くなると推測されます。
何故かと言うと、片付けをしないほうが「叱る=かまってくれる」からです。
それよりはおそらく、片付けしないときには、「お片付けしてくれる?」とだけは言ってみて、しなくても注意せず無視無関心でいます。
その後もし片付けを行ったら、褒めてあげるというふうにしたほうが、片付けが出来る子に育っていく確率は高いと推測されます。
もちろん、全て褒めていればいいというわけではないでしょう。例えば道路で赤信号を飛び出すとか、他人へ害を与える行為など叱らねばならないことというのもありますので、それは叱るべきでしょう。
でもそれ以外の緊急を要しないものに関しては上記のような対応で根気強く子供を導いていくのがいいのかなと思います。
もしも、この先「褒めるべきか?」「叱るべきか?」で迷われてしまう事象が出てきたときには、これを頭において、使い分けをしてみるというのも一つの方法かと思います。