愛情やスキンシップを与えずに育てると赤ちゃんはどうなる?幼少時期のスキンシップ、コミュニケーションの重要性
赤ちゃんて、理由もわからずに泣いていて泣き止まないことが多いですよね。
そんな時にもし、放っておいたらどうなるのでしょうか?
スキンシップ、コミュニケーションを奪われた赤ちゃんはどうなると思いますか?
お風呂や排泄処理などの清潔な環境、適切な栄養、十分な睡眠は与えるとして。
神聖ローマ帝国ホーエンシュタウフェン朝皇帝フリードリヒ2世は
「言葉を教わらないで育った子供が、どんな言葉を話すのか」
という疑問を持っていました。
六カ国語を話すことができたフリードリヒ2世は、人間は生まれたときから自分の言葉をもっていると思っていました。
それはきっとヘブライ語に違いないと、期待していたのです。
この実験のため、部下に50人もの赤ちゃんを集めさせたそうです。集めた赤ちゃんを部屋に隔離し、そこで面倒をみるのですが、そこには決まりがありました。
その決まりとは
面倒をみる際に
「目を見てはいけない」
「笑いかけてもいけない」
「語りかけてもいけない」
「スキンシップを一切してはいけない」
と命じたのです。
しかし、しっかりとミルクは与えて、お風呂も入りもちろん排泄の処理もする。生きるのに必要なことはすべて与えるのです。
ただ一つだけ与えられなかったものは、コミュニケーションやスキンシップ。すなわち愛情です。
その実験自体も驚愕しますが、その結果もまた恐ろしいものでした。
子供達は、全員が1歳の誕生日を迎えることなく誰一人として育たなかったそうです。愛情を示してもらえず、言葉もかけてもらえず全員が死んでしまったそうです。
なぜ、このような結果になってしまったのでしょうか?
一説によると、その原因は「スキンシップ不足からくる成長ホルモンの障害」と言われています。
スキンシップと成長ホルモン。
このふたつの関係性から思い当たるのは、近年「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」という名で広く知られるようになった、“オキシトシン”の存在です。
赤ちゃんは優しいスキンシップを受けたり愛情を感じると、脳から安らぎを感じるオキシトシンが分泌されて情緒が安定します。
オキシトシンが不足するとストレスがたまり、情緒不安定でキレやすい子供が育つと言われています。
また、オキシトシンには副交感神経を刺激して成長に必要なインシュリンなどのホルモンを分泌させ、成長を促進させながら病気に対する免疫力や抵抗力を強くする作用があることもわかっています。
もう一つ実験を紹介します。
これは第二次大戦後のスイスで行われたものですが、心理学者のルネ・スピッツも、戦争で孤児になった乳児55人に対し、フリードリヒ2世のような、人間的スキンシップを一切行わない実験をしました。
これもまたスキンシップを行わない以外は、最高の設備の施設、保母や看護士らがつき、スキンシップを除けば、ほぼ完璧な形で彼らを育てるいうもとで実験を行ないました。
その結果なのですが、
55人中、27人が2年以内に死亡しました。
残った子供も17人が成人前に死んでしまいます。
そして残りの11人は成人後も生き続けましたが、その多くには知的障害や情調障害が見られたとのいうことでした。
仮に今のご時世でやったら、世界的に大騒ぎされるレベルの事件でしょうし、おそらく犯罪でしょうし、人道的にも、絶対に許される行為ではありませんが、
こうした事実から言えるのは、「赤ちゃんの健康的な成長を促す一番の鍵は、親とのスキンシップやコミュニケーションにある」ということなのです。
最近電車などでも赤ちゃんがぐずるとなんでもスマホで音を出したり動画を見せたり、また中には「うるさい」と叱り続ける人を見かけますが、まずはパパやママが抱っこしてあげたり、あやしてあげるのが一番なのです。
清潔な環境、適切な栄養、快適な睡眠を与えることは大切かもしれませんが、赤ちゃんはそれだけでは生きていくことさえも難しいのです。
何より必要なのは、求めるものは、あなたのスキンシップ!
そう思えば、あなたに泣きわめいてくる赤ちゃんがいっそう可愛く、愛らしく見えてきませんか?
赤ちゃんにとっては、あなたが神であり創造主でありこの世の全てなのです。
あなたが優しく抱っこして微笑みかければ、それだけで赤ちゃんは「この世界は幸せなんだ、楽しいんだなあ」と潜在意識に語りかけるのです。
「この世界に生まれてきて良かったぁ~~」と!
そして、その思いは彼、彼女にとって一生の財産になっていくことでしょう。
その時にしかできない精一杯の愛情表現で、お子さんに接してあげてくださいね!